戦没学徒記念 若人の広場公園

福良湾を見下ろす標高145mの大見山に立つ。展望台からは鳴門海峡も一望できる。©️南あわじ市
ペン先をモチーフにした高さ25mの慰霊塔。平和への祈りと戦没学徒への追悼を象徴する「永遠の灯」が灯されている。©️Koji Horiuchi
瀬戸内海の自然と調和するよう石積みで仕上げられた重厚な外観。屋上は展望台に、内部は管理棟となり展示スペースも設けられている。©️Koji Horiuchi

戦争で失われた若者への思いを込めた、丹下健三の知られざる名作

兵庫県南あわじ市の淡路島南部にそびえる大見山。鳴門海峡を見渡すその山頂に立つのは、太平洋戦争時に軍需工場へ動員され、そこで亡くなった勤労動員学徒の追悼施設だ。設計は自身も戦時下に父母、友人、そして自身が育った町を失った丹下健三。高く積みあがった石積みの展示資料館を含む複合的な施設で、先に竣工した「東京カテドラル聖マリア大聖堂」でも採用したHPシェル構造を用いて、象徴的な記念塔を配した。記念塔は学徒をイメージするペン先をモチーフに、高さは25mに及ぶ。展示資料館の石垣には、丹下の故郷である今治城の石垣にも用いられる花崗岩を使う。阪神・淡路大震災の被害などで閉鎖を余儀なくされたが、再開を望む声から息子である丹下憲孝率いるTANGE建築都市設計の設計で、都市公園として再整備が行われた。

戦没学徒記念 若人の広場公園(旧:戦没学徒記念館)
・設計:丹下健三+都市・建築設計研究所 
・改修設計:TANGE建築都市設計
・所在地:兵庫県南あわじ市阿万塩屋町2658-7
・用途:記念碑・公園
・竣工年:1967年(2015年改修)

Text:Yoshinao Yamada