


海の営みを余すことなく伝える、日本有数の海の博物館
三重県鳥羽市浦村町にある博物館。海とともに生きる「海民(かいみん)」と海の関わりについて、さまざまな視点で調査、研究、展示、社会教育活動を行う。二代目館長も務めた石原義剛が収集した膨大な海の民俗資料は生活様式の変化で失われたものも多く、非常に貴重な内容となっている。その内容は、水産業、海運業、造船(主に木造船)、海産物の流通など、経済、宗教、民俗、文化、資源保護、海洋汚染などの多岐にわたる。現在の建物は建築家の内藤 廣による設計。旧館より現在の地に移転を行い、収蔵庫が先行し、続いて展示棟の完成とともに一般に公開された。現在も増え続ける膨大な収蔵品に対し、内藤はプレキャストコンクリートと集成材を用いて巨大な空間を実現。近年新たに試みられている木質の大空間に先行するもので、海さながらに多様なコレクションを包み込む。
鳥羽市立海の博物館
・設計:内藤 廣(内藤廣建築設計事務所)
・所在地:三重県鳥羽市浦村町大吉1731-68
・用途:博物館
・竣工年:1992年
Text:Yoshinao Yamada