Entô

隠岐諸島のひとつ、中ノ島の海士町に位置する隠岐ユネスコ世界ジオパークの拠点施設でもある宿泊施設。5階建の本館と3階建の別館の2棟で構成されている。©️Ken’ichi Suzuki
カルデラの海を望む別館1階に設けられたジオラウンジには、恐竜をはじめとする古生物の化石などが展示されている。©️Ken’ichi Suzuki
眼前の景色をよりダイナミックに感じられるよう、間口は広く、奥行きは浅く設計された客室とプライベートテラス。©️Ken’ichi Suzuki

独特の地形を軽やかな窓から楽しむ、離島のホテル

日本海に浮かぶ島根県隠岐諸島は、そのユニークな地質や地形、それらに育まれた生態系や人の営みなどが評価され、ユネスコ世界ジオパークに認定されている。その観光拠点となる宿泊施設は、部分的にリノベーションを行った既存施設、最新の建築技術を取り入れて建設された新館からなる。なかでも圧巻は、新館客室の窓から望む「島前カルデラ」の風景だ。要素を削ぎ落とした室内に身を置くと、独特な風景が眼前に広がる。床から天井まで固定されたフレームレスの窓、そして額縁のように風景を切り取る窓の向こうに、島独特の「島前カルデラ」と呼ばれる火山性の陥没地形が広がる。奥行きを抑えた客室から、他では得難い宿泊体験が楽しめる。

Entô(エントウ)
・設計:マウントフジアーキテクツスタジオ
・所在地:島根県隠岐郡海士町福井1375−1
・用途:宿泊施設
・竣工年:2021年

Text:Yoshinao Yamada