


ローマの建築様式に着想を得た、近代土木遺産
北海道稚内市の稚内港にある高さ約14m、長さ427mからなる大型防波堤。稚内は年中風が強く、波も高いため、既存の防波堤では波を防ぎきれず、新たな防波堤の建設が求められた。稚内築港事務所長の平尾俊雄は、同所に赴任した北海道庁の若き技師、土谷 実に波を受けるドーム状の天蓋をコンクリート製の杭で支える案を提示した。土木を学んだ土屋は70本の柱列群と半アーチ状の回廊をもつ防波堤として完成させる。竣工後、稚内駅からドーム近くまで線路を延長し「稚内桟橋駅」が開設。稚内と南樺太を結ぶ鉄道連絡船に乗船する桟橋への通路としても活用された。第二次世界大戦後、連絡船とともに桟橋駅への線路も消滅。解体の危機もあったが、市民運動で復元工事に至った。現在は北海道遺産に指定され、周辺は公園となっている。
稚内港北防波堤ドーム
・設計:土谷 実
・所在地:北海道稚内市開運1-2-2
・用途:防波堤
・竣工年:1936年
Text:Yoshinao Yamada