三角港フェリーターミナル(海のピラミッド)

建物の内側と外側、それぞれに独立した螺旋スロープが走る。外側のスロープからは天草の島々や美しい海の景色が見渡せる。Photo:富重清治
円すい頂部に設けられたトップライト。昼間はここから内部に自然光が降り注ぐ。夜になれば建物内部の灯りが外に漏れ、建物全体が彫刻のように浮かび上がる。Photo:富重清治
内部には柱が1本もない直径34m、高さ25mの巨大な空間が広がる。右回りのスロープを上ると屋上の展望スペースに。建築を一周するダイナミックな体験ができる。Photo:富重清治

巻貝と同じ二重螺旋で景観を楽しむ、フェリーターミナル

熊本県の優れた建築を通じた後世に残る文化的資産の創造を目的とするプロジェクト「くまもとアートポリス」の一環として建設された同県宇城市の宇土半島にあるフェリーターミナル。歴史ある三角港から天草へとフェリーが運航される。三角の貝殻を思わせる建築は葉 祥栄の設計による。直径34m、高さ25mの円すい形で、巻貝と同じ二重螺旋構造のスロープで内外を行き来できる。頂部のトップライトで昼は自然光を取り入れ、夜は発光してコンクリートのフレームを照らす。永遠に旋回できるスロープを昇降しながら景観を楽しむ。なお、2016年にはネイ&パートナーズジャパンの設計で円弧状の屋根をもつキャノピーが完成。三角駅から三角港フェリー乗り場をつなぐ通路として整備されている。

三角港フェリーターミナル(海のピラミッド)
・設計:葉 祥栄
・所在地:熊本県宇城市三角町三角浦1160-177
・用途:フェリーターミナル
・竣工年:1990年

Text:Yoshinao Yamada