高田松原津波復興祈念公園 国営追悼・祈念施設

道の駅と伝承館を併設した建物の中央には、水盤が設けられトップライトからの光を受け止める。海に向かい「祈りの軸」が一直線に伸びる。©︎Tomohiko Tagawa
「海を望む場」から公園を振り返る。震災の記憶を未来へつなぐために、建物と広田湾の中心を一本のまっすぐな線でつなぐ「祈りの軸」。©︎Tomohiko Tagawa
「祈りの軸」の先に設けられた「海を望む場」。震災後に新たに建設された高さ12.5mの巨大な防潮堤の上にあり、海への視界が一気に広がる。©︎Tomohiko Tagawa

海と向き合う決意を込めた、鎮魂の地

岩手県陸前高田市気仙町にある復興祈念公園。東日本大震災による犠牲者の追悼と鎮魂、そして記憶や教訓の継承を旨に国土交通省東北地方整備局が設置した復興祈念公園の一つで、国営の追悼・祈念施設である。区域内には「奇跡の一本松」をはじめ、旧・道の駅の「タピック」 など、複数の震災遺構が残されている。園内の建物内には、地域の賑わい創出として道の駅「高田松原」と、震災の教訓を伝承する「東日本大震災津波伝承館」がある。震災の記憶を次世代に引き継ぐことが求められる一方、悲惨な記憶をもつ多くの人々へも配慮したランドスケープデザインが求められた。追悼や祈念のあり方は人それぞれであることをふまえ、来訪者が一様に気持ちを静めて祈ることができる場として「海を望む場」を設けている。

高田松原津波復興祈念公園 国営追悼・祈念施設
・設計:プレック研究所内藤廣建築設計事務所設計共同企業体
・所在地:岩手県陸前高田市気仙町字土手影180
・用途:公園、博物館、道の駅
・竣工年:2019年

Text:Yoshinao Yamada