


村野藤吾の名作として名高い、群島に浮かぶホテル
戦後まもなく国立公園に指定された三重県志摩半島の「伊勢志摩国立公園」。その英虞湾を望む賢島の高台に、戦後初の純洋式リゾートホテル「志摩観光ホテル」は開業した。現在は「ザ クラブ」として営業する建物は、建築家の村野藤吾が設計。戦後の動乱期、村野はかつて手がけた三重県鈴鹿の海軍施設の柱や梁を一部移築して建設した。1969年には現「ザ クラシック」として愛される新館を竣工し、客室数200室を保有する国内最大級のリゾートホテルとなった。和風、欧風、モダニズムというさまざまな様式を横断しながら、村野らしいオリジナリティあふれる建築としてまとめ上げられた。各階に庇を付けるなど鉄筋コンクリート造ながら和風の外観に。雁行型の構造で、風景に溶け込む名建築として愛される。
志摩観光ホテル
・設計:村野藤吾
・所在地:三重県志摩市阿児町神明731
・用途:ホテル
・竣工年:1951年
Text:Yoshinao Yamada
文筆家・甲斐みのりが、海を望む志摩観光ホテルを訪ね、
「海と建築」をテーマに綴る書き下ろしエッセイ。ぜひお楽しみください。
