


水族館の可能性を大きく広げた、名作建築
沖縄本島北部の本部半島にある「海洋博公園」内の水族館。設計は「那覇市役所」「ホテルムーンビーチ」などを手がけた沖縄出身の建築家、国場幸房が手がけた。公園の景観に配慮し、山の斜面に沿って建てることで海への眺望を確保。さらに屋根を分節し、軒を低く抑えた。亜熱帯気候にある沖縄の風土を考慮し、エントランス広場上部は暑い日ざしや雨を遮る風通しのよい半屋外のパーゴラを採用。深い庇や雁行した壁面が、建物に陰影と表情を与える。魚類最大のジンベエザメやマンタの飼育繁殖を目指した水槽「黒潮の海」は、世界最大級の水深10m、水量約7500トンの規模を実現。さらに来館者がそれを楽しめるよう、幅22.5m、高さ8.2m、厚さ60㎝の大アクリルパネルを設けた。さまざまな角度から来館者が水槽を観覧できる空間づくりで、海の魅力をあますところなく伝える。
沖縄美ら海水族館
・設計:國場幸房
・所在地:沖縄県国頭郡本部町石川424
・用途:水族館
・竣工年:2002年
Text:Yoshinao Yamada