「UMI 2050」は、日本の沿岸地域の2050年を展望しようとする試みです。ドットアーキテクツ、小野寺匠吾建築設計事務所が主宰するオソリサーチの2組が2050年の未来の都市と海の関係を描きだします。
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王越2050 / ドットアーキテクツ
東京2050 / オソリサーチ
「UMI 2050」は、日本の沿岸地域の2050年を展望しようとする試みです。都市における海は、経済発展に伴う都市拡大の調整役を担ってきました。増え続ける人口に対応するため、山を宅地造成し、その残土を海へと運んで埋め立て、コンテナヤードや商業地域として開発してきました。こうして都市の海岸線は海の沖へ向かって移動を続け、人工の直線的なラインへと描き変えられていきました。
現在、日本の自然海岸は、国民ひとり当たりにつき30cmほどしか存在していません。しかしながら、すでに減少局面にある人口は、2050年には1億60万人と予測されており、現在より2000万人以上も減少する見込みとなっています。それに伴い経済や産業もシュリンクしていく今、私たちは改めて海と都市の関わりを描き出す場として捉える必要があるのではないか。そのような思いを抱き「UMI 2050」に2組の建築家に参加を呼びかけ、具体的な臨海地域を想定した計画提案を行うことにしました。
ひと組目は、大阪を拠点に、建築にとどまらない多彩な活動を行うドットアーキテクツ、もうひと組は、東京をベースに先の大阪・関西万博のシグネチャーパビリオンの設計でも話題を呼んだ小野寺匠吾建築事務所が主宰するオソリサーチです。「UMI 2050」着想のきっかけとなったのは、丹下健三が1961年に発表した「東京計画1960」です。東京湾上に線状に都市を拡張する未来的な都市計画は、高度経済成長期の都市の夢を描くような壮大なものでした。当時とは真逆の局面を迎えた私たちの暮らしと海は、一体どのような関係を結び直すのでしょうか。
ドットアーキテクツが計画地として選んだのは、香川県の坂出市にある王越(おうごし)町。古くは塩田で栄え、その後都市部で出る産業廃棄物の処理施設が立地した場所で、リアルな人口減少地域と海との関係をつなぐ仕掛けを試みました。
オソリサーチは、自身のホームであり都市化と海の関係を正面から捉えようと東京湾岸の勝どき周辺を選び、あり得たかもしれない東京湾岸の姿を仮想しました。
県庁舎をはじめとする名建築を今も残す香川と、東京湾。奇しくも丹下ゆかりの地を設定し、2050年の未来の都市と海の関係を描きだそうとする2組の意欲的な試み、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
最後に、リサーチや撮影にご協力いただきました皆さまに、深く感謝申し上げます。
MOON
Director 佐藤久美子
王越 2050
dot architects / ドットアーキテクツ
家成俊勝、⾚代武志により設⽴された建築家ユニット。分野にとらわれない⼈々や組織が集まる「もうひとつの社会を実践するための協働スタジオ」。コーポ北加賀屋を拠点に活動する。
HP : dotarchitects.jp
IG : @dotarchitects.jp

東京 2050
OSO Research / オソリサーチ
小野寺匠吾建築設計事務所[OSO]内の建築設計とオーバーラップしながらコンセプトやデザインを⾼めるリサーチチーム。建築家・リサーチャー・アーティスト・プロジェクトマネージャー・翻訳者らで構成。
HP : shogoonodera.com
IG : @officeshogoonodera
Movie : Ichiro Mishima
Movie Edit : Rie Toguchi
